その⑧入院3日目(手術の翌日)|多発性巨大子宮筋腫開腹手術の体験談

最初から読む⇒その①変性痛による発覚

朝6時頃に看護師さんが様子を見に来てくれて起きる

熱は38℃台で血圧も上が80ちょいだったけど、ほぼ気絶状態だった昨日に比べると体調はすこぶる良い

今日は待ちに待った歩行練習の日

術後に自分で歩けるかの様子を見てもらい、OKが出たら尿管が外せるのでベッドから出て自由に動ける予定

やっとお風呂にも入れるしトイレもコンビニも好きなタイミングで行ける!

傷の痛みよりベッドから動けないことの方がずっと辛かったので、今日の歩行練習を本当に楽しみにしていたのだけど…

※あくまで個人の体験談であり、治療においては適切な資格を持つ医療従事者の助言を求めてください

硬膜外麻酔を追加する

話は戻って朝の体調チェックに来てくれた看護師さんに

「あれ硬膜外麻酔の追加、全然使ってないですね!?痛かったら我慢せずにボタン押してくださいね」

と言われ手術前に説明されてたのを思い出す

手術のときに背中に入れた「硬膜外麻酔」という痛み止めの麻酔は、術後も繋がったままになっていて、断続的に薬が入り痛みを和らげてくれる

(次回に書くけど硬膜外麻酔があるのとないのでは傷の痛みが大違い)

そして痛みが強くなった時に自分で手元のボタンを押して麻酔が追加できるという素晴らしきシステム

1度押すと20分くらいは作動しないように設定されているので、ボタンの誤作動で麻酔が入りすぎるという心配もない

昨日はほぼ気絶して寝てたから追加ボタンの存在を忘れていた

朝食前で鎮痛剤がまだ飲めなくて傷が少し痛いのでさっそくボタンを押してみる

ピロリロ、ピロリロ♪

予想外に大きなメロディ音が鳴ったので驚く

シュコー、シュコーと何回かポンプが動いた後に背中にひんやりとした感覚があり、痛み止めの麻酔が入ったのがわかった

背中がスーッと気持ち良くて、飲み薬と違って痛みがすぐに和らぐのが嬉しい

飲み薬の痛み止めは効果が出るまで1時間くらいかかるし、1日3回までしか飲めないので硬膜外麻酔の存在は大きかった

1日ぶりの飲み物と食事

夏だからすでに日が昇っていてすっかり明るく、同室の人もみんなも起きてるようだ

歯磨きの後は丸1日ぶりの水

点滴のおかげか喉は乾かなかったしただの常温水だけど、久しぶりに飲むお水は体に染みわたるようで美味しかった

冷蔵庫使ってないから口をつけずにコップに注いで飲むように

朝食まで1時間くらいあるので本を読んで時間をつぶす

いつの間にか寝てたらしく、8時に朝食の時間で起こしてもらう

朝食は三分粥とペースト状の青菜、味噌汁、牛乳と固形物なし

お腹が極限に空いてる今こそ苦手なお粥を克服するチャンス、と思ったけど数口で気持ちが悪くなってきてどうしても食べられない…

申し訳ないし、たくさん食べて早く回復したかったから悔しい

おかゆ以外は完食

今朝は採血もした

手術で大量に血を失ったわりに眠い以外の貧血的なしんどさは感じないので結果が気になるところ

自由を手に入れるための歩行練習

朝食後に看護師さんがやってきて体調などをチェックした後、この後に歩行練習するからと両脚につけている血栓予防のマッサージ器をひと足先に外してくれた

外した瞬間、すごい開放感!

蒸れるし重いし動けないので、これを外してもらえただけでも最高の気分

血栓予防と歩行練習のためにマッサージや軽く脚を動かしておくよう言われたので、ベッドに座ったまま足首を回したり脚を揉んだり曲げ伸ばしした

午前中にトレーニングの先生が来てくれて歩行練習

これをクリアすれば脚の血栓予防装置と尿管が外せるので寝たきり生活から脱却できる!

…のはずだったが、歩く前の時点で血圧が低い(上80台)ために「うーん…悩むなあ…」と渋い顔してて唸る先生

元気なのにあと1日寝たきりなんて絶対に嫌だー!

私がやる気満々なので歩行器を使って一応トライさせてくれることになった

久しぶりに立つので最初こそふらつくも、めまいや動悸はなし

これはいける!と心躍るも数歩足踏みしただけで血圧が上70台まで下がり歩行許可下りず…

「ひとりで歩いてる途中でパタンって倒れちゃって頭打ったりしたら危ないからね」とのこと、まあそれはそう

わかってるけど悔しい、心の底から本当に悔しい

というわけで脚の血栓予防のマッサージ器をまたつけられ、寝たきり生活に戻ったのでした

横になりすぎて腰やおしりが痛いしお風呂に入ったり自由に歯磨きしたい…

今思い返してもこの時が精神的に1番しんどくて、先生や看護師さんが去った後ベッドでひっそりと泣いた

とはいえベッドの操作方法とか姿勢の取り方とか、いろいろ慣れてきて昨日よりは辛くないのが救い

YouTube観たりKindleで本を読んではまた横になって寝るのをを繰り返して時間が進むのを待った

傷は多少痛むけど、ずっと横になりっぱなしより少しの時間でも上体を起こして座った姿勢でいた方がその後よく寝れたから時間が早く進んでよかったと思う

あと昼前に同部屋の3人が一気に退院してしまい個室状態に

交流があったわけじゃないけど、ベッドから動けない今は部屋が静かになって寂しい

食事の再開とお腹のガスによる痛み

昼夜ともにお粥以外は完食、特に夕飯のカレーが美味しくておかわりしたいくらい

食事が再開したので腸が活発に動き出し時々ガスがお腹の中でゴロっと動くようになる

これが術後の傷に影響して地味に痛かった

手術前は表面の傷のことしか考えてなかったけど、筋腫を取るために切るのだから当然お腹の中も痛いのである

ガスを溜めると余計痛くなるのでなるべく外に出すように

健康的な病院食のおかげで匂いはないし、今は個室状態だから音を気にしなくていいのでラッキー

昼間あんなに寝たから夜寝れるか心配だったけどお腹いっぱいになったせいかすでに眠気が…

でも眠れなくなったら困るから頑張って消灯時間まで粘って即寝

腰とおしりの痛みで2時間おきに目が覚めるも、熱がまだあるせいかまたすぐ眠りに落ちた

明日からは普通のご飯になるらしいし、今度こそ歩けるようになってお風呂にも入れるはずだから本当に楽しみ

術後の痛みも思ったほど強くないし、体調も良くなってるからあとは回復を待つだけだなあと思ってたけど、翌朝にまた試練が待っていたのだった(つづく)