手術を受けることを決めてから半年間、レルミナ錠という女性ホルモンを抑える薬を飲むことになった
筋腫を小さくすることで開腹手術によるリスクやお腹の傷をなるべく小さくすることが出来る
ただ女性ホルモンの分泌を抑えることで疑似的に閉経と似た状態になるので、生理は止まるし、ホルモンバランスが崩れることによって更年期障害のような症状が出るかもしれないという説明を受けた
先に書くと私の場合、副作用がきつかったし予想外の症状が出たりしてすごく悩むことになる
当時のことを思い出してあれこれ書いてたら長くなってしまったので、目次から読みたいところをピックアップして読んでください
※以下はあくまで個人の体験談であり、治療においては適切な資格を持つ医療従事者の助言を求めてください
目次
レルミナ錠について
レルミナ錠は、子宮筋腫を増大させる原因となる女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の産生を低下させることで、子宮筋腫による諸症状を改善します

筋腫自体が小さくなるのはもちろん、生理が止まるので過多月経、重い生理痛、貧血などの改善が期待できる
私は副作用が辛かったからもう飲みたくはないけど、半年間生理がなかったのだけは本当に楽だった
レルミナ錠の飲み方
レルミナ錠は1日1回1錠を毎日同じ時間帯に食前(食事の30分前まで)に服用する
私も薬剤師さんにレルミナは食事の影響を受けやすい薬なので30分~1時間前に飲んでください、との説明を受けた
朝はバタバタするし夜は日によって時間が前後したり食べ忘れたりするので、比較的同じ時間に食事をとる昼食前に飲むことにした
飲み忘れを防ぐために
「1日1回、毎日同じ時間帯に服用する」というのは簡単なようで結構難しい
私のようなうっかりものが無策で挑めば確実に飲み忘れること間違いなし
ということでスマホのリマインダーを利用して毎日同じ時間に「レルミナを飲む」というメッセージが通知音と共に表示されるようにした
また、薬のシートにネームペンで日付を書いておく

面倒だけど、これで今日は薬を飲んだっけ?とわからなくなることが多々あったのでずいぶんと助けられた
ただ、ここまでやっても飲み忘れはある
事前に「飲み忘れた時は気付いた時点ですぐ飲む、ただし次に飲む時間が近い時は1回飛ばして通常通りに1回分飲む」という指示を受けていたのでその通りにした(2回分を一気に飲むのはNG)
結局、半年で4回くらい飲み忘れたけど筋腫はちゃんと小さくなったので、飲み忘れが続いたり回数が多すぎたりしないしない限り大丈夫そう
あとお酒は絶対NGではないけど、出血もしやすくなるから控えた方が良いと言われた
レルミナ錠服用中の症状、副作用の例

人によってはこの副作用が強く出ることがあるらしく、服用を中止しなければならないほどらしい
「その場合、どうなるんですか?」と聞くと
「他のお薬で症状を緩和したり対策もするけど…どうしても無理そうなら筋腫が大きいまま切るしかないかな。その分傷も大きくなっちゃうけど」と申し訳なさそうに言われた
筋腫が大きいままだとリスクも上がるし、今15cmだからへそ上まで切ることになる
副作用は怖いけどなるべく頑張って耐えたい
ちなみにレルミナ錠で女性ホルモンを抑えると、骨密度が低下して骨折などのリスクが高くなるから飲めるのは原則6か月まで

私は丸々6か月飲んだから骨密度の低下がとにかく怖くて小魚とかをよく食べるようにしてた
続いて実際に私がレルミナ錠を半年飲んで起きた体の変化などについて書いていく
生理が終わらない
レルミナ錠を初めて飲む時は生理が始まって1〜5日目に飲まないといけない
診察した日がちょうど3日目だったのですぐに飲み始める
それから1週間、普段なら生理が始まって5日くらいできっぱり終わるタイプなのに、なかなか終わらない
4〜5日目のような少量の出血がだらだらと続いて、結局レルミナ錠を飲み始めて2週間経った頃にやっと終わった
人によっては1~2か月くらい不正出血があるみたいなので、出かけるときは生理用品を持っていたほうがよさそう
1ヶ月経過|抑うつ状態と不眠、めまいが酷く中止の危機、漢方を飲み始める
私は生理前の不調、いわゆるPMS(月経前症候群)の中でもPMDD(月経前不快気分障害)という精神的な症状が特に重かった
抑うつ状態が酷く、精神的に不安定で本当にどうでもいいことで涙が止まらなくなるし謎に眠れなくなる
その時期にいる間は本当に辛いけど、生理が来れば嘘みたいにけろっと元気になり「なんであんな小さなことで悩んでたんだろう」と笑ってしまうほど
年を重ねるにつれて慣れ、理由なく気分が落ち込んでくると「そろそろ生理だね~」と思える余裕さえ出てきた
しかしレルミナを飲んで1ヶ月、いつもの生理前の精神不安定と不眠の症状が出るも生理が来ない
生理が来ないので抑うつ状態と不眠からずっと解放されなくて、これが本当に辛かった
料理中に卵をうっかり落としてこの世の終わりかと思うくらい泣く、散歩中に涙が止まらなくなる(すれ違った人にぎょっとされたり心配されたり)
家で仕事してるときはいいけど、出社しないといけないときでも涙がふいに出るのでよくトイレへ行って泣いていた
とにかく理由があろうがなかろうか、人前だろうがなんだろうが勝手に涙が出るのでこれにはすごく困った
また、軽いめまいがするようになり、ずっと車酔いのような状態が続く
思い返すと飲み始めのこの時期が一番つらかったなあ
1ヵ月経っての診察で先生に相談したらホルモンバランスが崩れてるからやっぱり更年期障害のようなうつ状態と不眠が出てるらしい
女性ホルモンって大事ですね、ほんと
ホルモンバランスを整えてくれる「加味逍遥散(カミショウヨウサン)」という漢方のお薬を出されたので合わせて飲むことになった

3か月分なので大量
副作用による下痢に悩まされ漢方中止
漢方を飲み始めて1週間、食事をするとお腹を下すようになった
元々お腹は強い方なのに、何を食べてもすぐトイレに駆け込む
試しに漢方を飲むのをやめたらぴたりと治まった
漢方の説明書を読むと副作用のところにばっちり「下痢」って書いてあったわ…
合わないので残念ながら漢方は中止、レルミナとの相性が悪いだけかもしれないので余った分は退院して落ち着いたらまた飲むことにする
精神的な不調や不眠、めまいはその後も続いたものの、2か月くらい経つと少しずつ気にならなくなっていった
3ヵ月目にニキビダニ(顔ダニ)で皮膚科へ
精神的な症状が治まってきて平和ない日々を送っていたところ、珍しく顔にパリパリという乾燥を感じた
加齢のせいかと思っていたら次の朝、鏡を見てぎゃーっと叫びそうになるほど顔中に謎の吹き出物が大量発生していた
だんだん増えていくしマスクをしていても人に会うたび「どうしたのそれ!?」と驚かれるほど目立つ
すぐ皮膚科に行くとニキビダニ(顔ダニ)と呼ばれる、誰の顔にもいる常在菌がなんらかの原因で異常に増えすぎている状態だという
子宮筋腫の治療中でレルミナ錠を飲んでいることを話すと、ホルモンバランスが崩れて顔の皮脂が過剰に出てる状態かもしれない、とのことだった
出た、ここでもホルモンバランス・・・!
顔ダニは皮脂をエサにしているので皮脂分泌が多いと増えすぎちゃって肌トラブルを起こすんだとか
原因はわかったしお薬も出されたけど、1ヶ月くらいなかなか治らなくて人前に出るのが恥ずかしかった
また別の記事で詳しく書くけど、結局AIDソープという顔ダニ専用の石鹸を試したのと保湿剤を変えたことで1週間くらいで綺麗に治った
食べても体重が減るので痩せた
レルミナを飲み始めて3か月くらい経った頃からとにかく周囲の人から「痩せた」と心配されるようになる
日に日に小さくなっていく胸や削げていくデコルテ、見てみないふりを続けていたが現実を直視しなくてはいけない
最初の1か月目でも少し落ちていたが、4か月目の診察のときに体重をはかると飲み始めから4kgくらい体重が落ちていて看護師さんから心配された
ごはんはむしろ人より食べている方だと思う
最初は痩せて嬉しかったけど、なんというか不健康な痩せ方なのだ
「痩せた」というより「しぼんだ」「やつれた」という言葉がしっくりくる
怖くなって調べようとしたら検索ワードに「レルミナ 体重減少」「レルミナ 痩せる」とすぐ出てきたのでよくある副作用みたい
食事量を増やしても体重減少は止まらず
元々165cmで53kgあった体重は最終的に48kgまで落ちて、あちこちの骨が浮き出ていていた
やっぱり女性ホルモンが抑えられることで、女性らしい体を作る脂肪とかが減ってしまうのでしょうか
見た目にも悩んだし、体力が低下して動くとすぐ疲れてしんどい
その後レルミナ錠を飲まなくなってから体重はあっという間に元に戻り、胸とか太ももの肉も少しずつ増えてきたので安心した
5か月目|ホットフラッシュで汗が止まらない
いよいよ手術までもうすぐ、というところまで来た頃に突然汗がワーっと出ることが増えた
元々汗かきだから最初は気にしてなかったけど、クーラーがガンガンに効いてる室内とか明らかに暑くないところで急に顔や頭から汗がダラダラと出て止まらない
これが噂のホットフラッシュってやつか!と謎に感動したのを覚えている
美容室で汗が止まらなくなったのは恥ずかしかったし申し訳なかった(事情は話した)
手術・入院前の診察や説明でも汗がばーっと出てハンカチが手放せなかったから先生や薬剤師さんにすぐ「副作用出ちゃってますね」と気付かれる
自律神経の乱れることによって起きるらしいけど、人前に出るとか話したりすると急に汗が止まらなくなるから緊張とかも関係するのかなあ
とまあ私が経験した副作用はこのくらい、出血とかがなかったのは幸い
手術が終わって1番嬉しかったのはレルミナ錠をもう飲まなくていいということ
退院して傷の痛みより副作用から解放された嬉しさの方が強かった、気分爽快!
あと疑似的にも更年期障害を経験したので職場の先輩方と健康トークでより盛り上がれるようになったという特典もつきました
将来、閉経して本当に更年期障害がやってきたときに少しでも軽く済むように今から情報収集して生活習慣に気を付けようと誓った
手術直前のMRI検査|半年間で筋腫はどのくらい小さくなったのか
手術の1週間前にどのくらい小さくなったのか調べるためにMRI検査を受けることになった(今回は造影剤なし)
結果は約100×143×150mmから75×88×110mmに
かなり小さくなって、お腹の出っ張り感が全然違う!
前はバイキング食べ放題後みたいにパンパンに張ってお腹が前に出てる感じだったけど、半年後はかなりフラットな感じに
体型が気になってゆるめの体型を隠す服ばっかり着てたけど、気にせず好きな服を着れるのが嬉しい
副作用は本当に辛かったけど、ちゃんと効果が出てくれてよかった
おかげで傷もへそ上までいかなくて最小限で済みました
次は手術のときに輸血するために自分の血を貯めておく「自己血貯血」の話をさくっと書く予定