数年前に「子宮筋腫」という子宮の筋肉に出来る良性の腫瘍が見つかった
30代の女性の3人に1人、40代では2人に1人という割合で発症する身近な病気なので聞いたことがある人も多いかもしれない
私の場合「多発性子宮筋腫」という複数の筋腫がある状態で、数年経過観察を続けた結果、1番大きなものは18㎝という特大サイズに成長
先日とうとう子宮筋腫核出術を受けて人生初の入院生活を送った
今は退院してしっかり療養したのですっかり元気
せっかくなので当時のメモを頼りに発覚から今に至るまでを書いてみることにした
だいぶ前のことで記憶が曖昧なところがあるのと、私は医療従事者ではないので一個人の体験記として読んでいただけると幸いです
目次
下腹部に鈍い痛みを感じるも生理痛かと思って様子を見る
普段は朝食を済ませて歯磨きをしている頃合いにトイレに行きたくなるのだけど、この日は朝起きた瞬間からうっすら便意を催していた
当時はお付き合いしていた人と同棲をしていたので彼を仕事に見送ってからトイレに行く
健康的なうんちがちゃんと出たはずなのに、どうもお腹がすっきりしない
変だなあ、と思いつつも気にするほどでもないので仕事をすることにした
下腹部に鈍い痛みを感じ始めたのが夕方ごろ
ちょうど生理が始まったばかりだったので生理痛かな、と仕事を中断してソファで休む
生理はそこまで重い方ではなく、いつもは眠気や腰の痛みに悩まされるくらいだ
だから今月は珍しいな、と思いつつ痛いは痛いけど普通に動ける程度だったので夕飯を作ることにした
だけど作っているうちにどんどんお腹が痛くなってくる
立っているのがしんどいので料理を中断してまた横になって休んだ
ちょうど仕事が終わったと彼から連絡がきたのでお腹が痛いから夕飯を買ってきて欲しいと返事をする
夕飯を食べながら明日は仕事が休みだから酷くなるようだったら病院へ行こう、という話になった
心配してくれているのは嬉しいけど生理痛で病院に行くのもなあ…
今日は生理が1番重い日だからゆっくり休めば明日には軽くなってるはず、という希望的観測を持ってこの日は早めに眠りについた
深夜に激しいお腹の痛みで目が覚める
深夜、激しいお腹の痛みで目が覚めたので慌ててトイレに行くと下痢をしていた
その後もお腹が痛くなってはトイレに行き、ほとんど眠れないまま朝を迎える
最初こそ便が出ていたけど途中から痛みの波はやってくるのに何も出ない
これはさすがに何かおかしい
朝1番にかかりつけの内科に予約の電話をしてすぐに病院に向かう
この時にはもう痛みが強くて脂汗だらだら、車内ではシートを完全に倒して横になりウンウンと唸っていた
病院についてから記憶が曖昧だけど指につけた酸素の値を測る装置を見た看護師さんが慌てて「あらやだ!息吸って!顔も真っ白よ!」と言っていたのを覚えている
よく「息ができないくらい痛い」と言うけど本当に息が上手く出来なくなっていた
診察を待つ間も鋭い痛みの波が襲ってきてじっと出来ないので立ったり座ったりを繰り返す
人目が気になるけどそんなことを言っている場合ではない
やっと呼ばれてあれこれ診てもらうと、過去に腎臓結石をやっていて今回も同じかもしれないからまずCTを撮りましょう、ということになった
あー!結石か!前に健診で見つかったときは痛みがないまま自然に排出されたから忘れてたや
なんだかすっきりした気持ちになりCTを撮る
結石と思いきや急成長した特大子宮筋腫が見つかる
次に診察室に呼ばれディスプレイに映された自分のお腹の中を眺めていると「結石は見つかりませんでした」と言われ「へ?」と声が出た
「その代わり、かなり大きな子宮筋腫の影があるのでこれが痛みの原因かも」
母も子宮筋腫で手術を受けていたので定期健診は毎年受けていた
去年はフリーになったばかりだったので飛ばしたけど、2年前は確実になかったはずだ
「子宮筋腫は良性腫瘍で癌化することはほとんどないんだけど、短期間で急成長していることを考えると悪性の可能性も捨てきれないから早めにちゃんと検査をしましょう」とのこと
総合病院へ移動してMRIと血液検査を受ける
そのまま婦人科もある同じグループの総合病院に移動することになった
痛みで食事をしていなかったことなどが幸いして総合病院についてすぐMRI検査を受けられることになった
造影剤なしなので20分くらいで終わるんだけど、痛みのせいで動けないのが本当に辛かった…
その後は血液検査をして診察室の前で待つ
総合病院だから待つかもとは思ってたけど1時間以上経っても一向に呼ばれない
2時間経った頃には限界が近づいてきて待合室の椅子で横になって耐える
そこまで混んでないのに何で呼ばれないんだろう
刺すような強い痛みと、あとどのくらい我慢すればいいのかわからない辛さで完全にメンタルが崩壊して大人なのにしくしくと泣き出してしまった
激しい痛みの原因は筋腫の変性による壊死と出血
結局呼ばれたのは3時間を過ぎた頃だった
MRIの画像を見せられながら複数の筋腫があること、右側の筋腫の中で出血が起きていてこれが痛みの原因だろうということを聞いた
子宮筋腫は大きくなる過程で「変性」と呼ばれる組織変化を起こすことがあるらしく、それで筋腫の一部が壊死したり出血することがあるらしい
そりゃ痛いわねー
そのまま婦人科の先生につないでもらい、診察してもらえることになった
産婦人科へ移動して内診とエコー検査
次は産婦人科に移動、この時点で私はあまりの痛みに歩けない状態だったので車椅子に乗せられて移動
内診台に上がり触診とエコー検査をしてもらう
生理中でも内診は受けられるのだけど、よりによって白いTシャツを着ていたせいで洗浄のときに服の後ろの裾が真っ赤になってしまった
(内診を受けるときは服の裾を上までしっかりあげましょう)
その後またMRIの画像を見ながらやっぱり出血を起こしている筋腫のせいで痛みが起きていること、筋腫は複数あって1番大きな筋腫がすでに9cmを超えているので手術をした方がいいということを伝えられた
変性による痛みは鎮痛剤で抑えられるし数日から1~2週間ですぐ治まるらしい
手術をした方がいいのだけど、子宮筋腫は再発しやすく女性ホルモンが出ている、つまり生理が来ている限りまた出来てしまう可能性が高い
なので今すぐ手術で摘出してもまた再発して筋腫が大きくなったらまた手術をしなければいけないそう
遺伝的にも私は筋腫ができやすい体質だろうし、当時はまだ30代前半だったので再発した場合、閉経まで逃げきるのは難しくまた手術することになるだろう
また、筋腫の位置や大きさによっては妊娠しにくくなったり妊娠中や出産時のリスクが高くなってしまうという説明を受けた
子どもを産むつもりはないけど何回も手術をするのは嫌だなあ
症状がないため経過観察に
子宮筋腫は生理痛が重くなったり出血量がものすごい量になったりすることがあるそう
母も普段から生理のときは出血がとても多かったし、ある日大量出血を起こして救急車で運ばれ手術となった(あと2時間遅かったら命を落としていたらしい)
幸いにもなぜか私は大きさの割に変性痛以外なんの症状もなかった為、しばらく経過観察となった
診察を出て会計が出るまで待つよう案内されたのがガラス張りの新生児室の前
ここは産婦人科なので、もちろん妊婦さんや赤ちゃんもたくさんいる
今は大きな筋腫が見つかっても手術して半年の期間を開ければ妊娠できるというのを知っている
だけど、母の筋腫が見つかったときに子宮も全摘出したので当時は筋腫=子宮を取る=子どもが産めなくなる、というイメージが頭から消えなかった
赤ちゃんのかわいい寝顔を眺めながら急に涙が滲んできたのをよく覚えている
子どもは好きだけど母のように産んだけど愛情持てませんでした、となるのが怖い
複雑な思いを抱えたまま会計を済ませて薬を取りに行った
鎮痛剤で変性痛治まる
出された鎮痛剤はおなじみカロナール、あんなに苦しんだ痛みは薬を飲んで数時間後にほぼ治まった
七転八倒していたのが噓みたい、もしかして家にある市販の鎮痛剤でも効いたのかな
私の場合、運良く変性痛は薬を飲めば気にならないくらいだったし数日で痛みはなくなった
成長する筋腫と手術に至るまで
その後は3ヵ月に1回定期健診を受けて1年に1回のMRI検査(造影剤あり)を受ける
その後、手術を受けるまで約8年
だんだんと筋腫は大きくなって冒頭でも書いた通り9cmから18cmの特大サイズにまで成長
最後は大きくなりすぎて腎臓を圧迫し、水腎症というおしっこが出にくくなって腎臓が腫れてしまうことになったので手術になる
それまでは幸運にもお腹が出ている以外、何の症状も出なかった
手術はサイズが大きすぎるのと数が多いので腹腔鏡手術は出来なくて開腹手術となり8日間の入院
年齢もまだ若いから、という先生に説得により子宮は残すことに
ちなみに当時病院に連れて行ってくれた彼には感謝しかないけれど、筋腫が発覚して今後のことを真剣に考えなければならなくなった結果、将来のプランがどうしても合わないので残念ながらお別れとなった
そんなこんなで発覚から8年経って手術をした今はお腹も気分もすっきり
体重の割にお腹がすごく出ていたので服選びが大変だったなあ
術後の貧血や後遺症の手のしびれなど、まだ治療は続いているけど、もう傷の痛みも気にならなくて手術前とほぼ変わらない生活を送れている
また再発して手術になるかもしれないから備忘録として手術・入院生活なども詳しく書くつもり、何かの役に立てば嬉しい(続く)